2022『大雪』

お知らせ

恵那の大雪

『大雪』は雪が激しく降り始めるころという時期。陽はさらに短くなって寒さが増し、冬が深まっていきます。「西高東低の冬型の気圧配置の日が多く現れるようになります。」と、メディアから聞こえてきます。今週の天気予報は気温が急降下となる予報。恵那でも初雪の便りはあるのでしょうか。「来週凍るよ。タイヤ変えた?」こんな質問も山間部ならではの挨拶です。このまま一気に真冬へ突入するのでしょうか。

初雪が降るまでに美しい雪の言葉もいくつか準備しておきたいと思います。「花弁雪(はなびらゆき)」は、どうでしょう。雪片が花びらのように舞う雪のことです。

正月事始め

十二月十三日は、正月事始めの日。「煤(すす)払い」「松迎え」など年神様を迎える準備を始める日です。「煤払い」は、一年の汚れを落とす行事。今は、家の中で火を焚くこともないので煤はありませんが、「煤払い」は単なる大掃除ではなく年間の厄を取りはらう重要な日だったようです。今では年末の大掃除にとりかかる目安となりました。

また、門松にする松やおせちを調理するための薪などを、山に採りに行く日でもあったようです。これを「松迎え」といいます。今になっては聞きなれない言葉です。

現代のこの時期には、クリスマスツリーやリースを飾り、しめ縄や門松を作るワークショップも人気です。今では世界が広がり多様な価値観がありますが、魔除け、豊作祈願、新年の幸福祈願として植物を飾ります。自然に恵まれ、山に囲まれた恵那市ではそれぞれの多様な「松迎え」が出来そうですね。

季節のリースワークショップ

コミュニティセンターにて

二十四節気

二十四節気は農業において欠かせない節目です。節句や暦は郷土料理に深く関わっており、食のいろはを知ることの楽しさを覚えました。そして巡る季節は美しく尊く、恵那の強み、そして私自身の強みを見つけることが出来ました。

また、二十四節気を追いながら、私は日本にもっとも古く渡ってきた染料植物とされている藍を育ててきました。穀雨で種を蒔き、大暑で刈り取った藍は、なんとか発酵に成功し、染料のもととなる蒅(すくも)が出来ました。そして発酵させて染液を作る工程の「藍建て」も挑戦しました。

しかしながら思ったような藍色は出ず。発酵が進まなかったのか、何が原因かも分かりません。初年度からうまくいかないのは当然ですが、何とも言葉に出来ない思いです。

しかしこの二十四節気の連載において出会った方達のお話は、成功したことより失敗した体験談の方が多かったように思います。失敗と挑戦を続ける姿を何度も見せてもらえました。私の藍の挑戦はこの先も続きそうです。これからも、季節が移ろうように、また自分らしい色が出せるように、どこかで二十四節気を追っていきたいと思っています。

 

vol.48をもちまして『恵那の暦・二十四節気』の連載は終わりとなります。これから先も、恵那の強みを見つけられたらいいなと思っています。二年間読んでくださりありがとうございました。

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kotomi mizuno

Kimono文化(呉服販売、着付け)に触れたことで日本の暦に流されるように生活したいと思うようになりました。恵那にUターンしてから恵那の歴史や強みを知りました。恵那の強みを二十四節気で綴っています。時代の流れが速すぎてもスロウで心地良いコトやモノに触れていたいです。
土から始まり土に還る循環を学びたいと思います。畑で育てる藍、湧き出る水、山から伐りだした薪で作った灰で藍染に挑戦します。

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