恵那の清明
清明とは、生きとし生けるもの、万物が清らかで生き生きする頃のこと。若葉が萌え、花が香り、鳥が歌い舞う季節です。
この時期になると、つばめが民家の軒下などに巣を作り始めます。つばめが巣を作ると、その家に幸せが訪れるという言い伝えを幼いころから聞いて育ちました。稲作の害虫を食べてくれる大切な鳥です。つばめは東南アジアで過ごし、数千キロを渡って日本に、そして恵那市に渡ってきます。田んぼの水面に風をきってかける姿は清明の風物詩です。
かたくりの花
つばめの帯
藍蒔く 種蒔(たねまき)
「藍蒔く」は、初春の季語とされており、「種蒔(たねまき)」もまた、春の季語となります。恵那市ではそろそろ春野菜の種も蒔かれ、発芽の喜びが感じられる時期でもありますね。人参、トマト、ピーマン等が蒔かれています。
私は藍を育ててみようと昨年から計画していました。いつ種を蒔くかは、いろんな知恵や工夫があるのだと学びます。今年は昨年より少し早めに蒔いてみることにしました。この時期からは農家は繁忙期になります。私も緊張や不安も少々、そして期待も混ざってスタートです。
昨年採取した藍の苗
卒業式から入学式
先日小学校の卒業式に参加しました。やはり式典は一つの節目なので厳かでもあり、特別な時間が流れます。お世話になった先生方、同級生の皆さんに感謝の気持ちが溢れます。
最後に卒業生から、それぞれの親御さんに送るメッセージがスライドで流れました。学び舎での六年間、ともに笑い、時には涙を流し過ごした卒業生が綴るその言葉には、様々な感謝の思いが詰まっていました。それぞれに困難があり、乗り越えてきたのが良く分かる言葉です。難しい単語も、飾った言葉もない、感謝の気持ちとこれからの希望を素直に表すメッセージが胸に刺さります。同級生というコミュニティはこの先も共感できる、力を合わせられるそんな場所なのです。私は恵那市というコミュニティも、同じように感じています。豊かな自然に恵まれたこの土地や人に感謝をし、これからの希望を持っていたいと思いました。
清明は桜の開花とともに入学の時期です。今年の入学式の桜は何分咲きでしょうか。桜の美しさ、愛される理由は花が葉に隠れないことと、花がいっせいに咲くこともあるようです。桜のように清く、そして明るさに満ちる新一年生をお祝いしたいです。
この記事をシェアする
kotomi mizuno
恵那市明智町出身。Uターン在住。着付け師。
山での暮らしに魅了され、お着物の沼に落ち、お出汁は毎日引いています。
えなえーるでは暦、節句を担当。季節の移ろいを感じて表現していきたいです。
髪は盛りたい願望あり。日々是好日。