恵那の暦・二十四節気『芒種』

芒種の「芒」は「のぎ」と読み、稲などの穂先にある針のような部分を言います。穂の出る稲や麦など植物の種をまく季節を意味します。恵那市ではもう田植えは終わっている時期ですが、もち米や古代米はこの頃が田植えの時期とされます。水無月は田植えに多くの水を必要とする月とも言われています。

芒種から数えて5日目、立春から数えて135日目が「入梅(にゅうばい)」になります。今年は6月11日です。入梅は雑節とされ、梅雨入りの目安とされてきました。

皆さんは梅雨に向けての準備、何をしますか。梅雨を快適に過ごせるようにしておきたいな、と思っていたら、今年は例年よりずいぶん早く5月16日に梅雨入りしてしまいました。

梅雨は、「ばいう」と読み、梅の実が熟す頃に降る雨を指しています。今年は梅の実も早くになりましたね。私は梅仕事が好きです。ジュースにして、その後、実をジャムにします。梅雨の合間の晴れた日に収穫が出来そうです。

雨の日が多いこの時期に、日本語の美しい雨の表現を知りたいと思いました。最初に美しいと思ったのは「涙雨(なみだあめ)」です。涙のようにほんの少しだけ降る雨のこと。また、悲しみの感情を表わしたかのような雨という意味にも使われるそうです。

そして次に「鬼雨(きう)」です。鬼の仕業かと思うような並外れた雨のこと。近年登場した言葉「ゲリラ豪雨」の和名だそうです。同じ意味でも鬼が降らせていると思うと、感じ方が変わりませんか。

そして最後に「七つ下がりの雨」は夕方の 4時過ぎに降り出した雨のことをいいます。なかなか止まないことの例えにも使われるそうです。そして『七つ下がりの雨と四十過ぎての道楽はやまぬ』と言うことわざがありました。道楽とは、本業以外のことに熱中して取り組むことを意味するようです。今の私のことかと「ふふ。」と笑ってしまいました。

(傘と雀の絣の反物)

二十四節気を綴るようになり、恵那の自然の豊かさを日々感じ、学びがあります。私にとっても、熱中して取り組めることの種を蒔くには良い時期なのかもしれません。

皆さんは何の種を蒔きますか。

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KOTOMI MIZUNO

恵那市明智町出身。Uターン在住。着付け師。 
山での暮らしに魅了され、お着物の沼に落ち、お出汁は毎日引いています。
えなえーるでは暦、節句を担当。季節の移ろいを感じて表現していきたいです。
髪は盛りたい願望あり。日々是好日。

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