2022 『啓蟄』

恵那の啓蟄

啓蟄(けいちつ)とは、土中で冬ごもりをしていた生き物たちが目覚める頃のこと。生き物たちは久しぶりに感じる風と、麗らかな春の光の中で生き生きとしています。日差しはゆるやかに高く感じ、風は南から吹いているのを虫たちも感じるのでしょうか。

朝には野鳥の群れがみんなで楽しそうに飛んだり、木にとまったり、まるでダンスしているようです。よく観察するとツグミでしょうか。

ツグミは、体長は24センチ程度。10月頃にシベリアから大群で日本にやってくる渡り鳥です。じっと草の下にいる昆虫を探して食べる姿。花鳥風月とはいいますが、この啓蟄の時期に鳥たちを見て明るい気分になります。

今年は昨年に比べて少しだけ春が遅いような気がします。昨年は蓬と蛙の卵の写真を載せていましたが今年はまだ見ていません。皆さんはどうでしょうか。

春の皿には苦みを盛れ

「春の皿には苦みを盛れ」と言うことわざを知っていますか。

冬の間は寒さから身を守るために、脂肪を蓄えて「冬の体」を作ります。春になると体に溜めこんだ脂肪や老廃物を排出し「春の体」にシフトチェンジする必要があります。老廃物が溜まりやすい冬の身体をリセットするために、苦味のある食べものを積極的に取り入れようという教えです。苦みのあるたべものにはデトックス効果があるのですね。


苦みの代表といえばこれから旬を迎える山菜ではないでしょうか。春の山菜は冬の間に体に溜まった脂肪や毒素などの老廃物を出します。この冬の体から春の体への変化を助けるのが、山菜や春野菜というわけです。

 

春の山菜の一番手は蕗の薹ではないでしょうか。独特の苦味にはポリフェノール類が多く含まれています。強い抗酸化作用があり、アンチエイジング効果が期待できます。「春の皿には苦味を盛れ」とは、“春の食事には春の食材を食べましょう”という、旬の食べ物を食べることが大切とのを意味も込められています。菜の花やタラの芽、うど等この時期だけの苦みを楽しみたいですね。今年は雪が多かったからかまだ私は見つけられませんでした。恵那市ではこの時期に、蕗の薹が顔を出します。苦みを意識してより活動的な毎日を過ごしましょう。

【山菜の下ごしらえシリーズ】①わらび編

【山菜の下ごしらえシリーズ】②ぜんまい編

【山菜の下ごしらえシリーズ】③ふき編

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kotomi mizuno

恵那市明智町出身。Uターン在住。着付け師。 
山での暮らしに魅了され、お着物の沼に落ち、お出汁は毎日引いています。
えなえーるでは暦、節句を担当。季節の移ろいを感じて表現していきたいです。
今年は藍を育てます。

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