2022 『大寒』

恵那の大寒

一年でもっとも寒い時期、『大寒』に入りました。暖房をつけてもなかなか暖まらない寒い朝。そして家から出ると冷たい空気がトゲのように突き刺さります。車で通勤する途中、雪と雪解け水が凍りついた道路の様子がまた寒さを助長していますが、今年も山岡町の寒天の作業には魅了されます。

また厳冬期である寒の内に汲む水を「寒の水」と呼び、この水で仕込んだお酒や、味噌、醤油はおいしくなると言われてきました。不純物や雑菌がもっとも少ない時期であることを、昔の人は経験的に知っていたのでしょう。そしてこの厳しさは春に向けエネルギーをたくわえる大切な季節でもあるのです。

 

寿老の滝

寿老の滝・大寒の日 2021年1月20日

 

昨年、大寒の日に「恵那公式チャンネル」にて撮影された寿老の滝の動画を見て、来年は自分の目で見てみたいと思っていました。いろんな形や大きさの氷柱(つらら)や、ごろごろした岩に残る雪とのコントラスト。寒さが作る自然の芸術は、自分の目で見るとそれは圧巻です。青白く光る氷の塊は、空気がきれいで不純物がない証拠なのだそう。そして寿老の滝の看板に「老を寿ぐ」と書かれているのを見て言葉や文字の力も感じました。

大寒卵

大寒の日に生まれた卵、「大寒卵」を知っていますか。恵那市上矢作町にある安藤養鶏場の安藤さんにお話しを伺いました。卵は栄養価が高く、寒い冬に栄養がたくさん入った卵を食べることで、滋養強壮にいいと考えられています。しかし気温が下がれば産卵は減り、強い鶏だけが産むのだそうです。そして一年で一番寒い大寒の日に産まれた卵は縁起が良いとされています。安藤養鶏場さんも5年くらい前「大寒卵」を発売開始されました。最初はお客様からのお問い合わせがきっかけだったそうです。

寒卵をむく様子。栄養がたっぷりと思うだけで体に良さそう。

この時期は植物も静かに眠り、春がやってくるのをじっと待っています。目には見えないモノに価値を見出すことができるのはこうした歴史を紡ぐことでもあると思いました。私もそうなりたいと思います。

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kotomi mizuno

恵那市明智町出身。Uターン在住。着付け師。 
山での暮らしに魅了され、お着物の沼に落ち、お出汁は毎日引いています。
えなえーるでは暦、節句を担当。季節の移ろいを感じて表現していきたいです。
今年は本格的に藍を育てます。

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