恵那の暦・二十四節気『立秋』

立秋とは、暦の上で秋のはじまりとされる日です。「立秋を迎え秋となりましたが…」などのフレーズがよく使われます。ちょっとした瞬間に秋を感じさせる風が吹くようになる時期です。しかし近年秋の訪れは遅くなり、いつまでも残暑が続きます。それでもカーキやボルドーのカラーを「サマーダーク」と呼ばれるように、秋を先取りした色彩が、美しく映える時期だと思います。

今年も夏の風物詩である蝉時雨(せみしぐれ)を、よく耳にしました。多くの蝉が一斉に鳴いている声を雨の降る音に例えた言葉です。うだるような暑い日、蝉の賑やかな声を聞くと、気温が1〜2℃上がるような気がします。蝉の命は短く、儚いもの。 一生懸命に命を繋ぎます。

これからは夕暮れ時になると、ヒグラシの鳴き声が聞こえ始める時期といわれます。初夏から鳴いてはいるものの、ヒグラシは秋の季語です。こまかく鈴を振るような澄んだ響きは、まるで秋の虫のよう…そんな「夏の終わり」を感じさせる声が、秋の季語の由来だそうです。

(ポーランド共和国カヌーチームが笠置挟ボートカヌー場でキャンプを行いました。)

秋に向かえば朝晩には涼しい日もあり、山沿いでは冷えた空気が深い霧になって漂う時期になります。先日、東京2020オリンピックに出場するポーランドカヌーチームが恵那に合宿に来てくれましたね。恵那の食事を美味しく食べてもらえたようです。そして選手たちに特産品のトマトが贈られました。

恵那市は夏秋トマトの産地として50年の歴史があります。選手達にも大変喜ばれたと聞きました。夏の季語でもあるトマトですが、日中の気温が20度から25度の頃に採れたものがおいしいとされます。これから秋にかけてまたぐんと美味しくなります。赤くなってから収穫されるトマトが食べられるのは地のものならでは。11月上旬まで楽しみたいです。

(阿部農園の朝採れトマト)

えなえーるでは、8月21日から31日まで、トマトのパネル展示を開催します。「種類のあれこれ」のコーナーは品種の特徴が紹介されています。それぞれの楽しみ方があり、今年は食べ比べをしてみたいです。皆さんの「トマトのあれこれ」もぜひ教えて下さい。

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KOTOMI MIZUNO

恵那市明智町出身。Uターン在住。着付け師。 
山での暮らしに魅了され、お着物の沼に落ち、お出汁は毎日引いています。
えなえーるでは暦、節句を担当。季節の移ろいを感じて表現していきたいです。
髪は盛りたい願望あり。日々是好日。

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