2022『小満』

お知らせ

恵那の小満

小満とは気温もぐっと上がり植物の成長する気が満ち始める時期といわれています。この時期に朴の葉も大きく開き、風は若葉風とも呼ばれます。そしてホームセンターにはたくさんの苗が売られるようになりました。植えた苗も定着し、植物の日々の成長が感じられます。苗がまだ小さい時の心配からほっと肩をなでおろし、小さく満足する頃なのだと思います。

昨年、生産者さんの畑を見させて欲しいとお願いした時のことです。いつ頃なら良いか確認した時、「僕は小満の頃がいいなぁ。」と言われました。繁忙期の中、少しほっとできる小満の時期に時間を作って下さったのだということを後から知りました。心も満ちた瞬間でした。

こんにゃくの日

5月29日はこんにゃくの日と制定されています。制定された背景には「こ(5)んに(2)ゃく(9)」と読む語呂合せと、この時期はこんにゃくの種芋の植えつけが行われるのです。そして本格的な夏を迎える前に、こんにゃくの効能を再確認して健康に過ごして欲しいという願いも込められているのだそうです。

こんにゃくは、低カロリーなうえに食物繊維が豊富で、体内の老廃物を外に出す働きがあります。昔からお腹の掃除をしてくれることが知られていて、「砂おろし」「砂払い」「胃のほうき」といわれていました。

子どもの頃は、お腹に砂が入っているという表現を不思議に感じていました。今はそれが比喩だと理解出来ましたが、こんにゃくの働きを伝える表現として説得力のある言葉だと思います。

こんにゃく芋の植え付け

先日晴れた日の朝に、こんにゃく芋の植え付けをすると聞き、午後から上矢作の後藤さん御夫婦を訪ねました。「百姓は天気で変わるから予定が組めない。」と後藤さん。その日は若葉風を感じながら、光の反射でキラキラ輝く上村川を見ながら植え付けを見せてもらいました。

こんにゃく芋を知ろう~貯蔵編~【岐阜県恵那市】

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えなえーるのYouTubeで勉強済みではありましたが、実際に種芋を見たり触ったりするのは感動が違います。珊瑚色の小さくて可愛い芽と、ごつごつした芋。そしてそこからヒモ状に、にょきにょきした根が出ている様を何度も見てしまいました。

広い畑に畝が作られ、“ミツヌキ”といわれる間隔で植えていきます。芋と芋の間に三つこんにゃく芋が入る間隔です。「おばあちゃんがそう言っていた。」というフレーズを何度か耳にし、受け継がれてきたのがよく分かりました。

植えつけたら草に負けないように敷くススキは秋に山で刈り、6月まで小屋で管理します。芽が出て葉が開き秋になったら掘りあげて、貯蔵庫で5度以下にならないように管理。三年繰り返すと出荷となります。

時代の流れとともに価値観は変化し、加速しています。万物が天地に満ちはじめる小満の時期に、今までになかった価値を見つけることができたと思います。手間と時間を惜しみなく注いで作られている恵那のこんにゃくを知れたことは、今年も心が満ちる瞬間でした。

こんにゃくの日は「砂おろし」を意識した献立を試してみたいと思っています。

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kotomi mizuno

Kimono文化(呉服販売、着付け師)に触れたことで日本の暦に流れるように生活したいと思うようになりました。えなえーるでは、恵那の強みを二十四節気で綴っています。
今後は土から始まり土に還る循環を学びたいと思います。畑で育てる藍、湧き出る水、山から伐りだした薪で作った灰で藍染に挑戦します。

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