恵那の暦・二十四節気「小寒」

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

令和3年のお正月をどう過ごされたでしょうか。初夢も気になりますね。一富士二鷹三茄子の夢を一度は見てみたいものです。今年は元旦に雪が降りました。御降(おさがり)と読みます。天を離れて下がってきたという雨や雪は、豊作になると喜ばれたそうです。

元旦には「年神様(としがみさま)」という新年の神様が、その年の幸福をもたらすために各家庭に降臨するとされています。年神様は祖霊神であり、田の神、山の神でもあるため、子孫繁栄や五穀豊穣に深く関わり、人々に健康や幸福を授けるとされています。

迎春。真冬の寒さの中、なぜ「春」なのかというと、旧暦(太陰暦)のお正月は立春の頃となり、現代では2月、つまり梅の花がほころび始め春の兆しが見える頃に迎えるからなのです。

春というイメージは色の世界でも新年を迎えると変化を見せます。この頃からパステルカラーが増えていきます。凍てついた空気の中、明るいコートをさらりと羽織る人を素敵だな、と思うことはありませんか。それは気付かないうちに、春が待ち遠しいという気持ちなのかもしれません。

令和3年のお正月は、今までのような活気に満ちたものには、ならないかもしれません。家族だけの時間も増えたことでしょう。いにしえから続くお正月を感じる門松や鏡餅などは、おうち時間を豊かにしてくれます。

小寒は「寒の入り」を迎えます。寒さが極まる手前と言われています。立春になる寒の明けまでの約一か月間が寒の内です。「寒稽古」は俳句の季語となっており、この頃の風物詩ですね。

恵那市山岡町では、霜が降りる頃から寒天の作業が始まります。夜間の冷え込みで凍らせ、日中の陽の光でぱりぱりに乾燥させると聞いたことがあります。夜間の凍結、昼間の乾燥を何度か重ね細寒天の姿を変えるそうです。

私は通勤途中、九時頃に山岡の寒天作業を車窓から見ることが出来ます。乳白色の寒天絨毯が、太陽の光で輝き蒸発する湯気が何とも美しいのです。この景色がずっと続くと良いなと思います。


恵那市内の多くの学校では、この時期に百人一首の大会が開かれます。「春すぎて」から始まる持統天皇の歌は「払い手」をマスターして取りましょう!

春過ぎて 夏来にけらし しろたへの 衣干すてふ 天の香久山

真っ白な衣を干す姿を見て、夏の訪れを歌に詠まれました。持統天皇が恵那で詠むなら、厳しい自然と向き合うしろたえの寒天ではないでしょうか。

睦月とはお正月に家族や親せきが集まり、睦み合う(互いに親しみ合う)ことから睦月になったと説もあります。

白い息を吐きながら、頬をほてらす子供達。夜には輝く星空。青い恵那山や白い寒天干しの風景。恵那の寒さを共有して睦み合うというのも、新しい睦月かもしれません。

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