2022 『小寒』

謹賀新年

謹んで新年のお祝いを申し上げます。

皆様には、健やかに新春を迎えられたことと、お慶び申し上げます。
旧年中はひとかたならぬご厚情をいただきありがとうございます。
本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。

恵那の小寒

本格的な冬の寒さが訪れる時期です。小寒から節分までを「寒(かん)」といい、小寒に入る日を「寒の入り」ともいいます。暦のうえでは冬の寒さが一番厳しい時期の入り口です。山々が雪で覆われ絵画のようですね。吐く息は白く、頬がピリッと痛くなる頃です。

恵那市ではこの寒さの中、白菜や、ちぢみほうれんそうなどがお店に並びます。野菜の敵と言われる霜が野菜を甘くおいしくさせる理由は「自己防衛」に由来するそうです。白菜やちぢみほうれん草は自分を守るために養分のデンプンを糖に変えていきます。それが自然の甘みになるのだそう。この「寒の入り」で私たちはどんな養分を蓄えられるのでしょうか。

雪景色の明知鉄道 2021年12月28日

しめ縄づくり

注連縄と書いて、「しめなわ」と読みます。どんな意味が込められているのか、あまり知らないという人も案外多いのではないでしょうか。私もその一人でした。神社や家の神棚に飾られているしめ縄は、古くから神聖なものとして扱われてきました。お正月は年神様をおもてなしする行事です。神様を迎えて祭る場所は、神の領域と現世を分け隔てる結界として、不純なものが入るのを防ぐという役目を担うそうです。

年末に明智町の八王子神社のしめ縄づくりに参加しました。私は昨年、おかさげ農園にて田植えと稲刈りを体験させてもらったのでこのしめ縄に興味がありました。稲架(はざ)かけをして藁を残す意味や、壮大な循環のお話を聞かせて頂いた米作りの体験は、こうして季節の巡りや行事と一緒に繋がり、豊かになります。

万葉の歌人、柿本人麻呂を祭神とする社殿。この社殿には明智氏の家紋である桔梗紋が彫られています。

しめ縄づくりの先生方は、魔法のように藁をよります。手から藁が編まれて飛び出してくるのです。参加していた中学生も勢いと力があり、いろんな年代の人々が神社に集い作ったしめ縄に特別な気持ちになりました。

この二十四節気は農業との親和性があり、歴史を紐解けば「山の神、田の神」の信仰があります。そして神様に喜ばれるお供えものは、「米→酒→塩→水」という順番なのだそう。令和4年の初詣、しめ縄をくぐる気持ちも新たに、二十四節気から多くを学べそうな気がします。

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kotomi mizuno

恵那市明智町出身。Uターン在住。着付け師。 
山での暮らしに魅了され、お着物の沼に落ち、お出汁は毎日引いています。
えなえーるでは暦、節句を担当。季節の移ろいを感じて表現していきたいです。
今年は本格的に藍を育てます。

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