恵那の暦・二十四節気『小雪』

小雪とは陽射しが弱くなり、冷たい北風とともに紅葉が散り始める頃。地面いっぱいに広がる落ち葉と、葉を落とした木々は冬の景色の象徴ですね。北国から雪の便りが届き、雪が降り始めるといわれますが、恵那市の初雪はいつになるでしょうか。冷えた空気の中、雨がおちてくる途中で雪に変わる季節なのですから、寒いはずです。

この時期は、山の仕事も忙しくなります。「山眠る」と表現をするように、木が水を上げなくなるので間伐や枝打ちなどの作業が始まります。間伐を行なっていない森では、木と木の間隔が過密すぎて互いの成長を阻害するため、根っこが十分に張れず、光も届きません。そのため、木の成長も遅くなるといわれます。

では、最初から間伐しないで済むような間隔で植えたらどうでしょう?そうすると木は真っすぐ育たないそうです。木をまっすぐ育てるためには、ある程度木を密集させて植える必要があり、成長させた後に適切な間伐を行います。スギやヒノキの枝や葉がなくなり山に光が入るようになり、他の植物の働きも活性化していきます。適度に間伐することで健全な森林を維持するのです。春の山菜や、秋のきのこ狩りでも触れましたが、山も育てられているのです。

satoyama FARM School「里山楽耕」にて

 

 

恵那市は約8割が森林面積とされる豊かな緑に恵まれています。私はそんな美しい自然が恵那の強みの一つだと思います。この自然の美しさに魅了され、二十四節気を綴ってみたいと思ったのです。

えなえーるでは、恵那の木にも着目し、えーな木育クラブとのコラボ企画を6月に開催しました。「ファーストマイスプーン」と題し、恵那で生まれた赤ちゃんが初めて持つスプーンを作る試みでした。そして今、えなえーるのフリースペースにトナカイのベンチが設置されています。こちらは中野方町の間伐材で作られています。ぜひ座ってみてくださいね。また、12月には恵那の山で採れた材料で作るスワッグ作りも予定しており、今からどんなスワッグが完成するのか楽しみにしています。

山から田畑に流れる水で作物を育て、おいしい恵那のお米や野菜が収穫出来ています。大きな循環の一部です。個人の力はわずかではありますが、循環の一部でいられるように山仕事を覚えていきたいと思っています。

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kotomi mizuno

恵那市明智町出身。Uターン在住。着付け師。 
山での暮らしに魅了され、お着物の沼に落ち、お出汁は毎日引いています。
えなえーるでは暦、節句を担当。季節の移ろいを感じて表現していきたいです。
髪は盛りたい願望あり。日々是好日。

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