恵那の暦・二十四節気『白露』

白露とは、夜中に大気が冷え、草花や木に朝露が宿りはじめる頃。降りた露は光り、白い粒のように見えます。日中の暑さも和らぎはじめ、だんだんと秋の気配が深まっていきます。今まで雨という表現だった言葉も露となり、季節の移ろいを感じます。

これからの時期、田んぼも畑も収穫の最盛期を迎えるため、「収穫の秋」「実りの秋」と言われています。

(遠い彼方まで田んぼが続く明智町は上田良子地区)

私の住んでいる地区では稲刈りが始まりました。機械化によりあっという間に終わりました。これぞ文明の利器です。それでもこれまでの間、水の量を見たり、草を刈ったり、「八十八の手間」をかけたからこその収穫ということを忘れてはいけませんね。

(こちらは明智町下田良子地区)

そして畑の秋野菜はどうでしょう?夏秋トマトはもちろん秋茄子や南瓜、青唐辛子、明日葉、オクラも美味しそうです。葡萄がお店に並びだすと秋を感じます。

(皮が柔らかく水分を多く含んでおり、甘みや旨みが強くなります)

そしてこの白露の間には、「重陽の節句」「中秋の名月」などのハレの日が続きます。昨年、えなえーるにて重陽の節句と、中秋の名月の設えを展示しました。山から摘んだ草花や、畑からの栗、芋を設えるだけでも印象が変わるものです。何も買わずに飾ることができたお供えを見て、豊かな実りの秋だと実感しました。今年もささやかに、ほっと出来るような飾りを考えています。

高い殺菌解毒作用がある菊を飾り、不老長寿を願う重陽の節句。秋の収穫を喜び感謝する中秋の名月。今もなお、歴史に学ぶことはたくさんありそうです。夜が長く過ごしやすいこの時期は、知識をはぐくむ、人としての「実り」の季節であるのかもしれません。

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KOTOMI MIZUNO

恵那市明智町出身。Uターン在住。着付け師。 
山での暮らしに魅了され、お着物の沼に落ち、お出汁は毎日引いています。
えなえーるでは暦、節句を担当。季節の移ろいを感じて表現していきたいです。
髪は盛りたい願望あり。日々是好日。

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