恵那の暦・二十四節気「啓蟄」

春を感じた虫や、冬眠していた生き物たちが続々と動き出します。大地が温まり、冬に眠っていた虫たちが顔を出す時期です。「啓」はひらく、「蟄」は土の中で冬ごもりをしている虫のことです。

「木の芽起こし」と呼ばれる春の雨が降り、冬の間植物の根の部分に隠れていたさまざまな虫たちが元気になるのですね。そして、地中の植物たちも活発に活動を始めます。ふきのとうから始まり、蓬やつくしも芽を出し始める頃で、1年を通して行事や農作業の始まりにふさわしい季節です。

ここで言う「隠れていた虫たち」の「虫」とは、昆虫に限らず、蛇やトカゲ、カエルも含みます。蛙の大合唱も近いでしょうか。人間は「春眠暁を覚えず」で春になると眠くなるのに、虫たちは起き始める。面白いですね。

恵那市も梅見の時期を迎えました。まだ寒さを感じる早春に咲く梅の花。奈良時代の『万葉集』に何度も登場するなど、古くから愛されている植物です。花はもちろん香りも良く、実も成り、余すことなく楽しめます。


(土助梅園で撮りました)

「梅はその日の難のがれ」ということわざを聞いたことがありますか?朝、出掛ける前に梅干を食べると、その日は災難をまぬがれるという説があります。昔、旅人がその土地特有の熱病や風土病にかからないように、梅干を「薬」として携帯していたからです。

この梅干しに殺菌効果があることは、学問的にも認められ、多くの人が実感していると思います。 今でも旅館などで、朝食に梅干が出されるのはこの説が生きているためです。

古くから梅が愛され、暮らしに寄り添ってきたのが分かります。恵那市長島町の梅露庵公園の見頃もそろそろ迎えるのではないでしょうか。寒梅が終わり、春の錦もすぐそこです。

一雨降るごとに気温の上がるこの時期に、私も「さぁ働くぞ」と意気込んでいます。お内裏様とお雛様の敷物を染めました。染織の塩梅は大変難しいです。

ますます草木が生い茂るという意味の弥生に入りました。良い虫の知らせが来ると良いですね。

タイトルとURLをコピーしました