恵那と私と、二十四節気と。

百年に一度のウイルスに襲われた年の挑戦。日々、ルール変更が起きています。
えなえーるでは、予定されていた企画が白紙になるところからのリスタートでした。
食と女性活躍、行政の仕事と三本柱が決まっています。

新しいルールの上で、私に何が出来るのでしょうか?
あなたなら何をしますか?

この未曾有の年に価値観が変わった人も多いと思います。先行き不透明な休校が続きました。不要不急の外出を控える、3蜜にならない、ソーシャルディスタンスという新しい単語が飛び交いました。まるでアニメを実写化したようなマスク生活を余儀なくされました。日々メディアでは累計感染者数を報道します。いつ終息するか分からない不安。不安に引っ張られる日々が心を曇らせます。

私は呉服の仕事に携わっていたこともあり、10年以上お着物生活しています。お着物の「決まり事」は季節に準ずるものが多く、無意識のうちに暦を意識していました。一年にその日しか締めない帯もあるのです。二十四の気という季節を感じ取って生活していたようです。

恵那にUターン帰省して5年。東京や名古屋で働いていた私は、出会う「人」の素晴らしさに気付くとともに、この大自然の豊かさに圧倒されました。本当の贅沢を知りたいと思うようになりました。旬のものをいただき、折々の祭りや行事に願いを込める尊さに思いを寄せます。季節の移ろいによりそう二十四節気のある暮らしは、身も心も豊かにしてくれるものに満ちています。

年齢やジェンダーも関係なく、何歳でも、どんな仕事をしていても、同じ季節の移ろいを感じられます。誰もが同じように時間が流れます。自然とともに生まれた豊かな文化や風土を守ってきた「人」。私には魅力的でなりません。

二十四節気は農作業の目安とされていました。生産者さんの二十四節気を取材します。山間部の畑の中で、土の上で、どんなストーリーがあるのでしょうか。それはきっと心躍るに違いないと確信しています。えなえーるは個性豊かなスタッフチームで構成されていますし、今までにない切り口で恵那の食を発信できるのではないかと期待しています。

二十四節気を知らなかった、聞いたこともないという声もありました。この気付きが一瞬でも心の晴れ間になったら良いなと思います。

誰も置き去りにしない季節の移り変わりから、一人でも多くの人が恵那市に住んでいることの誇りが持てますように。そして、コロナ渦でも「人」と繋がれるそんな場所になりますように。

水野琴美

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