恵那の暦・二十四節気『霜降』

霜降とは、朝晩の冷え込みがさらに増し、山里では霜が降りはじめる頃。朝晩の冷え込みが厳しくなり、日が短くなったことを実感できます。初霜の知らせが聞かれるのも大体この頃です。実際に恵那市では今週からぐっと冷え込みました。露が霜に変わる時です。

山は紅葉で彩られ始め「山装う」この頃は、五穀の収穫もたけなわで、農家では繁忙を極めます。稲刈りが終わったと思えば、エゴマ、サツマイモ、カブ菜、小松菜、ほうれん草など収穫を迎えています。柿や銀杏の収穫もこの頃ではないでしょうか。

(岩村町 竹並神社 令和2年10月下旬)

その中でも今回は「エゴマ」の畑を見せてもらいました。エゴマはシソ科の一年草で歴史は古く、縄文時代から食べられていたといわれています。日本で油といえばエゴマというほどで、大化の改新の頃には税金のかわりに納めていたようです。特にこの辺りの山間部は栽培に適していると聞きました。今でも代々伝わる種で栽培されている方もいらっしゃるようです。

エゴマにはα‐リノレン酸という人間にとって必須の脂肪酸がたくさん含まれています。その効能の高さからエゴマ油は大変人気のようですね。栽培に関しても、イノシシなどがエゴマの葉っぱのにおいを嫌うそうで、野生動物による被害を受けにくい作物としても注目されています。耕作放棄地を解消する救世主として期待されているのです。

(特定非営利活動法人 さとはち 長島町 久須見)

そしてえなえーるでは、10月23日土曜日に「親子で五平餅づくり体験教室」が開催されます。新米で作る五平餅です。恵那市内でも形が違い、それぞれ地域性があってとっても面白いですよね。このローカルフードの講座は朴葉寿司からすみと続き人気の講座になっています。コンセプトの一つとしては、身近にお家で作れるスタイルを提案しているところです。

私が子供の頃祖母に作ってもらった五平餅は、祖父が作った竹の串に握ってあるわらじ型でした。周りには従兄弟達がたくさんいて、煙がもくもくしていた記憶は今もしっかりとあります。そんな風に繋いでいくソウルフードは魅力がたくさん詰まっています。

私もこれを機に「五平餅のたれ」を作ってみます。ぐっと気温が下がるこの時期は、胡桃が落ちる時期でもあり、恵那産の落花生も売られています。味噌や醤油の発酵の力と、ナッツやエゴマの力を頂いて冬の支度をしようと思いました。

KOTOMI MIZUNO

KOTOMI MIZUNO

恵那市明智町出身。Uターン在住。着付け師。 
山での暮らしに魅了され、お着物の沼に落ち、お出汁は毎日引いています。
えなえーるでは暦、節句を担当。季節の移ろいを感じて表現していきたいです。
髪は盛りたい願望あり。日々是好日。

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