毎年、この時期になると、市内のお菓子屋さんに「からすみ」が並びます。からすみは、米粉で作る郷土のお菓子。岐阜県東濃地方では、お雛様にお供えするお雛菓子の定番です。恵那市は旧暦にあわせて4月3日にひな祭りを行う地域が多いので、3月は「からすみシーズン」です。お店ごとに、定番の黒糖やくるみに加え、桜やヨモギ、ゆずなど、色んな味が楽しめるうれしい季節です。
この記事を書くにあたり、からすみに思いを巡らせていたら、思い出したことがありました。学生の頃、「からすみ」を知らない友人らに、からすみを食べてもらったことがありました。その時、友人のひとりが「ういろうみたいだね」と言ったので、「ういろうとは違うよ。米粉を使っているし、ういろうより美味しいと思う」と力説しました。今思えば、からすみ愛が溢れすぎていましたね。ういろうも美味しいです。
子どもの頃、祖母がいつもからすみを作ってくれていました。時々、レーズンやマーマレードが入ったからすみがあり、嬉しかったことを覚えています。からすみは、基本の材料がシンプルなので、アレンジもしやすいお菓子だと思います。でも、最近は、家で作る人が減っているようです。一度に沢山作るイメージと、蒸し時間がかかることから、若い世代の人たちには、ハードルが高くなっているのかもしれません。
そこで、えなえーるでは、からすみの伝統的な作り方を大切に守りつつ、分量や加熱方法を工夫し、一般家庭のキッチンでも気軽に作れるレシピを研究中です。
まもなくレシピが完成します。この方法なら、親子で作るのも楽しそうです。
お店で買うからすみも美味しいですが、家庭で作るからすみの楽しさを知ってもらえたら、これからも郷土のお菓子として、絶えることなく伝わっていきそうです。
えなえーるでは、3月中にからすみの講座を行う予定です。また改めてお知らせしますのでお楽しみに。